令和の大改修
歴史を伝える城、
集う城
昭和の再建、平成の改修、
そして令和の大改修へ。
私たちは先人の想いを継承し、
未来に届けることを誓います。
岡山と岡山城を愛する人たちとともに-。
歴史を伝える城
とは?
歴史を伝える城
とは?
- 「磯田道史氏の展示監修」
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館内の展示を一新。監修者は、岡山市出身の歴史学者・磯田道史氏。
幼少より岡山城に親しんできた磯田氏が「岡山の歴史の入口」をテーマにして、系統的・物語性のある展示を紡ぎます。
- 「歴史を体験・体感できる場所」
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城は歴史の集積地です。その視座を大切にし、体験型の展示や、映像などによる解説も充実させました。岡山ゆかりの人物や出来事を五感で感じ、さまざまな発見や出会いをもたらす場とします。
- 「子どもたちにも歴史好きにも」
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ここに来れば歴史が学べ愛着を持つことができる。知的好奇心が刺激される。
子ども向けの歴史教室やワークショップ、筋金入りの歴史好きも対象にしたツアーや企画展まで幅広く実施していく予定です。
集う城とは?
集う城とは?
- 「多目的フロアの強化など」
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1階をほぼフロアごと貸し出せる多目的フロアに改修。改修前の倍程度のスペースを確保することで、今までにない城の利用方法が実現します。本丸内はバリアフリー化を実施。また、ライトアップを天守から石垣や園路にも広げ、ランドマークとしての存在も高めます。
- 「岡山城と市民と街を結ぶ」
-
例えば天守前の広場。イベントだけではなく、日常的に市民の憩いの広場になるよう公園利用を促進します。岡山城周辺の文化施設とも連動し、市街地への回遊性を高めます。
展示監修
歴史学者・
磯田道史氏
(岡山市出身)
- 磯田道史
- 歴史学者・国際日本文化研究センター教授
- 1970年岡山市生まれ。慶応大大学院文学研究科博士課程修了。博士(史学)。茨城大准教授、静岡文化芸術大教授など経て、現職。『武士の家計簿』(新潮ドキュメント賞受賞)、『天災から日本史を読みなおす』(日本エッセイスト・クラブ賞受賞)、『日本史の内幕』など著書多数。
監修にあたって
岡山城天守の大改修にあたって展示の監修を
させていただくことになりました。
四つのことを大切にして、このお城を
よくしていきたいと思っています。
岡山ゆかりの歴史人物の
ドラマが感じられる
展示にします。
モノを展示するだけでなく、モノに語らせて、岡山ゆかりの歴史人物のモノ・ガタリが感じられる展示にします。はじめての来城者にも、わかりやすいよう、視覚的・直感的に理解できる展示設計をめざします。難しい解説文を読んでもらうのではなく、目に飛び込んでくる図像・映像を開発し、歴史人物たちの人間ドラマを追った歴史絵巻を見せます。
宇喜多・小早川・池田と続く、岡山城主の史劇は魅力的なものです。リアルな文化財とバーチャルな展示を上手に組み合わせて紹介します。展示では、なぜ、そうなったのか。知的好奇心・探求心に満ちた「学び・気づき・発見」を重視します。そうだったのか、知らなかった、と、感動できることが大切です。
昔の歴史は、いまの岡山につながっています。歴史が現在と地続きです。例えば、岡山市中心部の大きな道路は、なぜ、その位置にあるのか?岡山城の外堀を埋め立てて、その道路がその位置にあるわけですから、外堀がそこに掘られたドラマを見せます。維新以後、外堀が要らなくなって埋められ、さらに岡山空襲で焼け野が原になり、都市計画で道路が拡張された歴史をみれば、見慣れた風景も違ってみえてくるはずです。
展示のなかではコラムのように、ところどころ、ここが面白い!という私の視点(磯田’sEYE)を入れさせていただきます。また来たい。人にも紹介したい。そう思ってもらえる展示にしたいと思います。
岡山城天守の建物としての
魅力を高め、
分かりやすく紹介します。
岡山城は空襲で焼け鉄筋コンクリートになっていますが、全国的にみても、珍しい建物の形をしています。この天守は織田信長の安土城天守に似ているとされ、土台が不思議な形をしています。四角形でなく、下の階が不等辺五角形の奇妙な建物なのです。古い幻の天守の名残りを今に伝えているのかもしれません。また豊臣秀吉の派手好みも反映して、金箔瓦が要所にあしらわれていました。この天守を建てさせたのは宇喜多秀家です。秀吉に可愛がられ、家族あつかいとなり、高い位をさずけられました。その地位を、みえる化する建物でしたから、かつての岡山城は黄金で着飾っていたのです。耐火性・安全性をクリアしながら、調査と研究に基づいた岡山城の建築ストーリーを発信できる内外装にします。
美術館レベルの新しい装置で
本物の価値ある文化財を
展示します。
天守は鉄筋コンクリートの高層建物です。窓も多い建物のなかで貴重な文化財を展示するには、光線・温度・湿度の管理が欠かせません。そこで展示ケースなどを新しく性能の高い装置に変えます。岡山城の城主には、宇喜多秀家・小早川秀秋・池田光政など興味深い武将や人物がいっぱいです。ゆかりの刀剣や甲冑は岡山にもありますが、全国にも散らばっています。保存管理が難しい展示品も、あります。常設展・企画展で安心して来城の皆さまにお見せできるようにします。
誰もが楽しめる
ユニバーサルな
体験型の展示を導入します。
展示は誰もが歴史を楽しめるものをめざします。岡山城主になった宇喜多・小早川・池田の三家は、いずれも関ケ原の戦いに参陣して、歴史を動かしました。戦国武将や殿様の暮らしなどを五感で体験できるコーナーを設けます。最新の映像技術をつかった迫力たっぷりの合戦再現ドラマもあります。来城の皆さまを戦国時代に江戸時代に、タイムスリップさせたい。そういう仕掛けを用意します。もちろん、戦国時代の武器や大名道具を復元し、自分で使って武将・お姫様を体験できる一角も作ります。ここは自分で写真を撮って紹介するのもOKです。インバウンドの来城者も増えていますから、多言語対応にも心掛けたいと思います。
かつて、お城は武将のシンボルでした。いまは町のシンボルです。岡山に住んでよかった。訪れて面白かった。そう感じていただけるよう、ぼくの歴史魂を燃やして、渾身の展示を作っていきたいと思っています。
皆さまに、お願いがあります。焼失前の岡山城の古写真をお持ちの方、ご一報いただけないでしょうか。特に天守内部の様子を知りたいのです。ご協力をお願いいたします。
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